さらば!『南京食堂』の「小龍包」

カテゴリー: くいしんぼ情報…休止
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◎下記は、「閑話&お知らせ」に載せた一文でしたが、「食いしんぼ情報」に移しました。

 

閑話……です。

 

先日、泡瀬(沖縄市)方面での取材の帰りに、ひさしぶりに空港通りの『南京食堂』(沖縄市中央)で「小龍包(ショウロンポウ)」を、

 

――ハフハフ、ハフハフ……言いながら食べてやろう。

 

と思い立ち、車を止めたのですが、古い2階建てビルの壁に大きく記されていた店名も看板もありません。

 

「おかしいなぁ、このビルの2階だったはずなんだが……」

 

県内外の〈食い道楽〉たちの間で「旨いよ、あそこは……」と囁かれていた『南京食堂』に昔、連れて行ってくれたのは、琉球新報の同僚記者でした。

 

ですから、確実に20年以上も前のこと。飲茶ブームはまだ起きていませんでした。

 

店内は小テーブルが4つほどしか置かれていない狭さで、窓から外を覗くと、横文字の看板の店々が嘉手納基地のゲートに向かっていました。

 

老いた中国人夫妻がきりもりしていて、名物は、なんといっても、ご主人手作りの「小龍包」。

 

湯気を上げて運ばれてくる蒸籠のなかには、アツアツのスープが潜んだ《極小肉まん》が9つ。円を描くように配置されていました。

 

初めて訪れたとき、店の夫人が中国語なまりで、

 

「食べ方、分かる?」

 

と尋ね、説明をしてくれました。

 

まず、レンゲを左手に持ち、その底に醤油と酢を適量入れ、さらに刻みショウガをお好みで乗せたところへ、小龍包をひとつ浸す。……ここまでが、プロローグ。

 

それを、やおら口のなかへ。

 

噛むと、ほとばしるのが、猛烈に熱い芳醇なスープ。

 

あっ、熱(あつ)ぅ!……ハフハフ、ハフハフ。

 

これが、旨いのなんの!

 

その後、実によく通わせてもらいました。
スーラン湯も美味でした。

 

食通の知人にさきほど電話を入れたところ、店を閉めてから随分経っている……とのこと。

 

それを聞いて、まず思ったことは、最後にこの店の「小龍包」を食べたのはいつだったか……。

 

そう。……現在の『FMコザ』が『FMチャンプルー』だった頃、いまや人気DJに成長した比嘉周作氏の番組にゲスト出演したときでした。

 

ですから、3年ほど前になるでしょうか。迂闊にも、随分ご無沙汰してしまっていたのでした。

 

放送終了後、周作氏と、放送作家の安里重信氏をご案内したところ、

 

「放送局からこんなに近くに、絶品の店があったなんて!」

 

と、感嘆してくれましたっけ。

 

さらば、『南京食堂』。ありがとう、「小龍包」。

 

*写真は、北谷町の砂辺周辺。嘉手納基地のアメリカ兵たちも潜りにきます。落書きは、彼らのアート?……それともウチナーンチュの作品?
クリックすると拡大します。

 

*「くいしんぼ情報」は、原則として10回以上通った美味店を、出し惜しみしながら掲載しています。上記の一文は、「閑話&お知らせ」に載せていたものを移載しました。



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