イナムドゥチに秘められた歴史ロマン

カテゴリー: フレモニ・ネタ(~07年4月5日)…終了
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さて、イノシシ年が始まって1週間が経ちました。

 

今年に入るや、熊に代わってイノシシが町中に出没し出したようで、全国各地からニュースが伝わってきています。

 

わが沖縄県には、リュウキュウイノシシが在来種として棲息しています。
戦前は、「貝塚人が持ち込んだ原始的ブタが野生化したもの」といわれていたんですが、港川人の発見者・大山盛保さんが1万8000年前のイノシシの化石を発見したことで、イノシシ事情がだいぶ変わってきました。

 

大山さんが発見した化石のイノシシが、貝塚時代の遺跡からも大量発見されているイノシシや、現在のリュウキュウイノシシの先祖かどうかはまだ、明らかになっていないようです。

 

ところで、ガチマヤーの私としまして、以前から不思議に思っていたイノシシ料理があります。

 

イナムドゥチ……です。

 

いうまでもなく、味噌汁の一種ですね。豚三枚肉、シイタケ、カステラカマボコ、コンニャク、揚げ豆腐など5~6種の材料を短冊切りにして、甘味噌でとろりと煮込んだ味噌汁です。

 

お正月には欠かせない料理といわれていますが、地域差があるようで、首里や那覇の一部の出身者のご家庭に限られている観があるのではないかと推察しているのですが、悦子さん、いかがですか。

 

私が不思議だなぁ……と思うのは、この料理のルーツです。

 

料理研究家の新島正子先生は、『沖縄大百科事典』のなかで、こう記しています。

 

「昔はイノシシの肉を使っていたのが、のちに豚肉を使うようになり、イノシシもどき……が訛って、イナムドゥチ……と名付けられたという。似た料理に、シカムドゥチ……がある。こちらは、すまし汁仕立ての汁物で、シカ肉の代わりに豚肉が使われるようになり、シカムドゥチ……と名づけられたという」

 

ということはですね、悦子さん(ラジオ沖縄・屋良悦子アナウンサー)。

 

冊封使が中国から豚を連れてくる前の、古き時代の食文化を彷彿とさせていることになりませんか、イナムドゥチは!

 

いにしえの首里や那覇の一部の皆さんは、イノシシを召し上がっていた。

 

しかも、ヤマトの「ボタン鍋」と同じように、濃厚な味噌汁を食していた。どうして共通しているんでしょうか。

 

この食べ方は、いつ頃、どんな人々によってもたらされたのでしょう。

 

イナムドゥチは、歴史ロマンも、隠し味になっているんじゃないかなぁ。

 

*07年1月9日のラジオ沖縄「フレッシュモーニング」で放送予定。



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